自閉症(自閉スペクトラム症)とは
自閉症とは社会性の障害を中核とした発達障害で、現在は自閉症とアスペルガー症候群と特定不能の広汎性発達障害に現れる状態が連続的に見られることから「自閉スペクトラム症」と呼ばれています。ここでは自閉症と簡略化して説明していきます。
【自閉症のあるお子さまの4つの特徴】
自閉症は、①社会性の発達の障害、②コミュニケーションの質的障害、③行動、興味及び活動の限定された反復的で常同的な様式の3つの行動上の特徴と、④想像力の乏しさの障害を特徴としています。
原因は特定されていませんが、早期療育などにより、社会性の改善は期待されています。
①社会性の発達の障害
目と目が合わない・名前を呼んでも応じない・一人で単純な遊びを繰り返す・友だちとうまく関われない・独り言が多いなどの特性が見られます。しかし、人嫌いなわけではなく、むしろ自分に関わってほしいという思いが強いお子さんも多く見られます。
②コミュニケーションの質的障害
顔の表情や声のトーンなど他者の様子から相手の気持ちを推測するという「社会的情報」の処理が苦手な状態をいいます。自閉症の特徴のために、相手に合わせた対応ができなくなり、マイペースな行動になりがちですが、決して気持ちが分からないわけではありません。状況に応じて他者がどのように考えるかを、周りの大人が適切に伝えることで、良好なコミュニケーションを取ることもできます。
③行動、興味及び活動の限定された反復的で常同的な様式
気に入った物事へのこだわりや同じものや状況・やり方へのこだわりのことです。もともとこの特徴をお持ちの方は、社会的情報処理が苦手なため、日々の生活は不安な状況にあります。そのために自己流のやり方や物にこだわることで、不安を抑えているとも考えられます。
④想像力の乏しさ
自閉症の特徴として、見えた物、聞こえた物を手掛かりとして考え、行動しているため、省略されたことばを推測して会話を続けることはとても難しく、自分の理解した範疇で話をすすめてしまうためにかみ合わない会話となることがあります。また、ことばの持つ本質的なイメージが持てず、限定的な事実として自分が理解したことだけで話をしてしまいます。例えば「犬」という話題についても、本人が知っている白くて小さな犬のことしか思いつかないと、黒くて大きな犬の話をしていると「それは犬ではない」と言ってしまいます。
【たっちでの取り組み】
自閉症の特性をお持ちのお子さまたちは、真面目で素直な良い点がたくさんあります。しかし、その特性のために集団場面や他者との関わりが上手くいかず、苦労することが多々みられます。
自閉症のお子さまをお持ちの保護者様には、その特性を理解して適切な配慮と支援を受けられる環境づくりが必要となります。
「子どもの発達教室たっち」では、お子さまそれぞれの自閉症の特性を理解して、長所を伸ばし、必要な療育を提供して、社会性を育みます。そして、その特性を持ちながら健全な人格形成をするために保護者様への子育てを応援し、共に成長を見守っていきます。
参考文献:「発達障害のある子の理解と支援」宮本信也 母子保健事業団
「自閉症療育の宝石箱」永井洋子・太田昌孝 日本文化科学社